月詠龍

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カテゴリー「ゲーム語り」の検索結果は以下のとおりです。

これまで数多くのゲームをプレイしてきましたが
これだけは語っておきたい、という作品を。



今回紹介するのは「オリとくらやみの森」。
好きなゲームは?と尋ねられて真っ先に浮かぶぐらい
本当に、大好きなゲームです。



嵐の夜の中、ナルがオリを見つける場面から物語は始まる。





オリを我が子のように可愛がるナル。
プロローグではとてもあたたかな場面が流れる。





しかし運命の夜を堺に、森は光を失い枯れ果て
ナルは息絶えてしまう。





親を失い傷ついたオリも、ついに力尽きてしまう。
最後の息を吐いた時……ゲームはここからスタートする。

表情豊かな愛らしいキャラクター、あたたかな場面と
今にも消えてしまいそうな、オリの繊細な描写……
プロローグの時点でもう、涙腺が緩みっぱなしでした。





このゲームの特徴は、何と言っても幻想的で美しい風景と光の描写。



静かな森の景色となめらかに動き回るオリの光の織りなす様子は
息を呑む美しさ。
フルオーケストラのBGMも相まって世界観描写は本当に素晴らしい。



長老樹に触れることによって、オリは能力を獲得し成長していく。
最初はか弱く、今にも消えかかってしまいそうだったオリも
次第に森を自由自在に飛び回れるようになり
段々とたくましくなっていく。





木漏れ日の差し込む森や水の景色もとても美しい。



セーブポイントである精霊の泉など
ちょっとした小さな場所ですらとても美しい。



羽をグライダー代わりにして飛ぶオリの姿が愛らしい。



オリは世界観や雰囲気だけでなく、ゲームとしてのバランスもとても手応えがあり
特にエレメントを蘇らせる時の脱出シーンは
壮大なBGMも相まって、まさに命がけで森を救う重要な場面。



森を救う冒険の最後に待つものは……

愛と献身をストレートに描いた物語。
心の奥底に響くものがありました。

今年のE3 2017では次回作の発表もあり
どのような物語になるのか本当に楽しみです。

インディーズならではの苦労や、その中でのこだわりや愛。
最近プレイしたタイトルの中で特にそれらを感じたものを。

 

今回紹介するのは「Owlboy」。
開発に8年以上もかかったというインディーズの大作。

 

主人公であるフクロウ族の少年、オータスは
生まれつき話すことができず落ちこぼれ。
何をやっても失敗ばかりの彼に師匠のアシオは失望している。

 

親友のゲディと共に海賊から村を救うため旅立つところから冒険が始まる。

 

このゲームの特徴は何と言っても圧倒的に美しいピクセルグラフィック。

 

 

大空と浮かぶ島々、木々や草花の動き、遺跡の壁画はもちろん
表情豊かで個性的なキャラクターたちの動きはどれもが愛に溢れている。
シーンに合わせたオーケストラサウンドも素晴らしい。

 

 

冒険の先でオータスは出会いと別れを繰り返し、成長していく。

 

努力が報われず、理不尽な運命に直面しながらも
失意の中で仲間たちと苦難を乗り越え立ち向かっていく……
その物語展開は王道ながらもとても心動かされるものがあった。

 

オータスに失望していた師匠のアシオも
悲劇と失意の中で次第に本心が明かされるようになり……
この師弟の描写に思わず涙腺が緩んでしまった。

 

終盤になるにつれ明かされていく海賊やフクロウ族の謎
そしてこの世界の根源に纏わる真実……
王道ながらも衝撃的な展開、そして心温まる仲間たちとのドラマは
忘れられないものになりました。

またしても間が空いてしまいました。
steamサマーセールで大量に重ねた積みゲーの解消に没頭する日々。
ここの所、絵を描くモチベーションが完全に消失していたので
いろいろな作品に触れて創作的な刺激を受ける事に専念してました。

 

今回紹介するのはそんな中で特に強く心に残った「Life Is Strange」。
ある事件をきっかけに突如時間を巻き戻す能力に目覚めた
女子学生マックスの青春と葛藤を描いた作品。

 

5年ぶりに再開した親友のクロエと一緒に、失踪したレイチェルの謎を追っていく。

 

幼馴染だったクロエは自身を取り巻く不幸の数々から
不良少女へとすっかり変わっており、マックスとは対称的な存在。
最初は気まずい関係だった2人も、物語が進むにつれて
再び絆を取り戻していく。

 

このゲームの最大の特徴はこの能力を使って時間を巻き戻し
選択を選び直せる事。

 

日常的な会話や些細な行動はもちろん、時として重要な選択を迫られる場面があり
どの選択をとったかで今後の展開に様々な影響を及ぼしてくる。

 

 

選択をとるのはプレイヤー自身だけれど、どのような選択をとっても
本当にこの選択で良かったのだろうかと
マックスが気持ちや迷いを心の声にして伝えてくる。

良かれと思ってとった選択も、後に良い結果を招くとは限らない。
選び直せるとわかっていてもどちらにするか本当に迷う。

ただ、どのような選択をとったとしても物語は進行していくので
どちらが正解、というものはなく自分の選んだ選択がそのまま物語になる。

 

 

物語の舞台である「アルカディア・ベイ」、そしてマックスが
写真の勉強に通う学校「ブラックウェル」での日常と青春、
学校や町の人たちのドラマ。
その一瞬を切り取った描写はどれもが美しく鮮やかで、心に残る。

シーンに流れる音楽も、実際のフォークソングのライセンス曲が使われており
雰囲気を盛り上げてくれる。

 

 

このゲームには調べられるものが実に沢山あり、
マックスが心の声で様々な反応を見せてくれる。
思い出やその持ち主の人となりがわかってきたり
場合によってはそれが謎のヒントになったり重要な局面で役立つことも……

 

そして場所によっては写真を撮ることも。
この要素も写真家を目指すマックスの視点が垣間見えてとても面白い。

 

 

暖かさや郷愁を感じさせる穏やかなひと時もある一方で
いじめや家庭暴力、薬物、異常気象といった様々な暗い部分が見え隠れする。

 

物語が進むに連れて次第に衝撃の事実が次々と解き明かされていき
時には後戻りができない重要な局面や、非常につらい選択を迫られる事もある。
何度涙しながら苦渋の選択したことか……

 

最初はどうみても嫌なヤツにしか見えなかったような人たちも
歩み寄るような選択をとってみると事情や内心が垣間見えてきたり
特にこの裏表の心理描写は目が離せないものがあった。

 

最初は暴力的な態度を顕にしていたクロエの義理の父親、デイビッドも
クロエがいない状況でのさりげない会話から
本気で心配しているんだなとわかりはじめる。

 

 

人々のドラマを追っていくうちにどんどん感情移入していた。
真相が明らかになっていくにつれてマックスの心の声からも
気持ちの変化や成長も現れていきプレイしていて一体感が強く感じられた。

特に物語の最後では、非常に苦しい選択をすることになり
これまでの数々の選択の中でも特に悩む場面だった。
この選択ですらも、どちらを選んでもそれが正解なんだなと……

ここまで感情移入したゲームは本当に久々でした。

前回からすごく久々になってしまったゲーム語り。
あれからsteamで沢山のインディーゲーム巡りをしておりましたが
最近プレイしたゲームの中でも特に記憶に残ったものを語ろうと思います。

今回紹介するのは知の海という意味をもつ「ABZÛ」。
美しい海の世界を冒険するダイビングアドベンチャーで
あの「風ノ旅ビト」と同じクリエイターによる作品です。

 

ゲームを始めると、海の上に浮かぶ主人公。
海の中に潜り、進んでいくと…… 

 

色彩豊かな生命たちが息づくあたたかな海の世界。

 

  

海の生命たちと共に泳ぎ、戯れる。
そのひと時だけでも極上の体験。

  

瞑想することで魚たちをじっくり鑑賞することが可能で
海の生態系を観察しているだけでも様々な発見があります。

 

静止画ではなかなか伝わらないのが残念ですが
水流に乗って泳いでいくシーンはとても快感でした。

 

一面を埋めつくすほどのロウニンアジの群れも壮観。

 

クジラと共に深海まで泳ぐシーンも大迫力。

 

最初は美しい海の世界を泳ぎ、堪能していたのですが
奥まで進んでいくと予想外の展開があり
これはただのダイビングではない、と思わせられました。

 

主人公も一見するとダイバーのようですが
ところどころにある壁画を見てみると何やら秘密がありそう。

 

危険な暗い深海の世界にも生命が。
特に巨大すぎて体が画面に収まらない大王イカは
不気味な美しさがあります。まるでこちらを凝視してるかのよう……

  

アーケロンのような古代生物も。
ゆっくりと泳ぐ姿は太古の浪漫と共に愛らしさも感じさせます、

 

そして深海のさらに奥深くには恐ろしい光景も……

 

冒険の終わりに待つものは……多くは語りませんが
とても美しい結末でした。

忘れられない、海の冒険になりました。

僕は絵や音楽と同じように、ゲームも立派な美術作品と捉えています。
今回から海外インディーズゲームを中心に
独創的で素晴らしい世界観を持つゲームについて
紹介がてら語っていきたいな、と思います。

今回紹介するのはスペインのBeautifun Gamesによる「Nihilumbra」。
パズル要素のある横スクロールアクション。

ss1

主人公は虚無(ヴォイド )から生み落とされた、意味を持たない存在。
自我を獲得し、虚無から世界へと逃れるところからゲームは始まる。

ss2

世界へと逃れた主人公は、かかしの姿を見て人の姿になる。
しかしそれでも、自分はこの世界ではよそ者に変わりはない。

このゲームは、世界観やBGMも素晴らしいのだけれど
何よりも大きいのは語り部の存在。

ss3

ss4

先へ進むたびに何者かが問いかけるように語り掛けてくる。
その冷たくあたたかい言葉どれもが非常に胸に突き刺さる。
虚無、孤独、絶望、自らの存在理由…
まるで自分の苦しみを体現しているかのようで
やっていて涙が出てきてしまう場面もあった。

ss5

ss6

しかし絶望ばかりではない。
主人公は世界に息づく「色」を手に入れる事で新しい能力を身に着ける。
世界に干渉し、学ぶことで成長していく。

ss7

ss8

主人公は自らを生んだ虚無(ヴォイド)に追われ、逃げていくことになる。
自分が逃げるたびに滅んでいく世界…
生きていることへの罪悪感。

ss9

自らに絶望しつつも、色彩を見つけ成長し前へと進んでいく
その旅路の果てにあるものとは…
ゲームを通じて自らの存在理由について考えさせてくれる
素晴らしい作品でした。 

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