ZABADAKの音楽

zabadak-I
のれんわけ前、つまり上野洋子さんが参加した最後のアルバム。
「私は羊」のリリース後の時から上野さんは「ZABADAKをやめたい」と
すでに思っていたようであり、吉良さんもこのアルバムが最後になることは
作る前から認識していたようである。
そんなのれん分け前最後のアルバム「桜」はこれまでのZABADAK集大成に相応しく
2人の世界観が見事に混ざり合った和風とも異国風ともとれる音楽たちは
そのどれもが日本人の琴線に触れるような、素晴らしいアルバムと言える。

1.五つの橋

のれん分け前のZABADAK集大成を飾るに相応しい名曲。
民族音楽調とプログレが融合した情熱的かつノスタルジック溢れる音楽に
上野さんの透明な歌声で綴られる物語は、遠い異国の世界へと誘われるかのよう。
その鬼気迫る演奏は上野さんと吉良さん、そして参加したミュージシャンたちの
魂が伝わってくるほど。
ライブでは客席の手拍子がおなじみになっている。

2.アジアの花

新居昭乃さん作詞の美しい歌詞に上野さんの透明なコーラス、そしてバイオリンが
ZABADAKの持つ透明な部分の世界観をより一層引き出しているように感じる。

3.マーブル スカイ

吉良さんリードボーカルによる曲。
中盤の厚みのある声が一層盛り上げる。
間奏部分の口笛も良い味を出している。

4.Psi-trailing

「Psi-trailing」とは超心理学用語で渡り鳥などが未知の場所を通り
元の場所へと帰る現象。
この曲も新居昭乃さんが作詞・上野さんが歌う曲で、曲名の意味が示す通りに
「懐かしい知らない場所」への憧れ・郷愁を感じさせる。

5.休まない翼

この曲もまた渡り鳥のようで、遠い場所へと行きつく強い想いを感じる。
特に吉良さんの歌声によるサビの広がりが素晴らしい。

6.椎葉の春節

宮崎県椎葉村に伝わる日本民謡をアイリッシュアレンジで歌うという曲。
上野さんの歌声に尺八の音色、そして透明感がZABADAK風日本民謡という趣。

7.桜

9分ほどのインストで元々はZABADAKデビュー前からすでに作られていたようだが
上野さんの希望でこのアルバムに収録、アルバムタイトルにもなったようだ。
曲名から日本を連想させるがその三拍子の旋律はどこか遠い異国を想わせるようで
とても不思議な曲。

8.百年の満月

イントロのギターから全身全霊、魂のこもった音が響きわたる。
スウィングなドラムに載せて歌う、吉良さんの叙情的な歌が本当に美しい。
想いを月にのせた美しくも儚い歌詞はとても心打たれる。
アウトロのサックスもたまらない。

9.歩きたくなる径

音数を抑えたアレンジが、透明な静寂を生み出している。
ピアノの旋律と上野さんの歌声が残す余韻が、とても切ない。

10.Tin Waltz

のれんわけ前の、上野さんのいるZABADAKとしての最後を飾る曲は
郷愁を感じさせる牧歌的なアイリッシュ。
あたたかい旋律と歌声の後に残る寂しさは
おかえりの安心感と、さよならの悲しさが同時にくるような感覚である。

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