姫神の音楽

SEED



風の縄文シリーズから、さらなる発展を遂げたアルバム。
縄文語による歌詞がよりメインになっているが
前作とはまた違った、東北やアジア大陸を感じられる作風である。

実験的で少し尖った作風と言われているが
個人的には大陸を感じられる大らかさがあり、
どこか呪術的・古代的な印象を受けた。
シンセサイザーの音色も以前よりも主張している。
メインである姫神ヴォイスも3人から5人に増えている。

ジャケットは藤原カムイによる繊細で美しいイラスト。
裏面には女性、ディスク側には鳥が描かれている。

1.序

笛とギターによる、素朴で柔らかいメロディのイントロダクション。
この曲から、風のこころへと繋がっていく。
後半のぽんぽんと鳴るパーカッションが印象的。

2.風のこころ

姫神ヴォイスによる、縄文語の恋愛詩。
風の音と共にソロから始まりサビでヴォイスが
一気に盛り上がる展開は素晴らしい。
情感あふれるその節回しは、風に想いを乗せているかのようで
まさに「風のこころ」という感じがする。
笛の優しい響きもとても心地よい。
縄文語の歌詞ではあるが、個人的には所々
「天に照らり」と歌っているように聞こえて仕方がない。

3.草原の舞

ぶっといベースに馬頭琴の演奏、そしてオッドフォンバイラの
サンプリングされた声がリズミカルに響き渡る大陸的な一曲。
ムックリの使い方も印象的。

4.相聞歌

金延幸子・サカヴェ夫妻によるスキャット曲。
パキスタン出身のサカヴェによる非常にインパクトのある
ヴォイスイントロは一度聴いたら忘れられないだろう。
ダンストラックのリズムに載せて響く二人の掛け合いが楽しい。

5.森の雫

笛の旋律と太めのシンセ音が、大らかな広がりを見せるインスト曲。
バックで終始つかわれている鳥のさえずりのような音が効果的。

6.蒼い黄昏

環境音のような、どこか不思議な感じのするアンビエント。
前半の笛の音と後半から加わるベースが予兆を感じさせる。

7.雲はてしなくVOICE MIX

「炎 -HOMURA」に収録されていた同曲のヴォイスアレンジ。
交響曲的で壮大なイメージの原曲とは異なり、こちらのバージョンは
ダンストラックに近い軽めのリズムで
主旋律を歌い上げるヴォイスはどこか淡く儚い印象がある。

8.ダマト パラ

一風変わった趣のある、アップテンポなダンストラック。
尖ったシンセの攻撃的なバッキングに合わせ
姫神ヴォイスによるコーラスが力強く響く。
従来にはなかった、新しいヴォイスの使い方をしている。
呪文のような曲名であるが、恐らく「ダンマパダ」が由来。

9.空の海

古の式典のような荘厳な雰囲気を持つ曲。
メロディが一切なく、大太鼓と姫神ヴォイスのみの構成。
太鼓の音と共に力強く、伸びやかに響く姫神ヴォイスは
威厳に満ち溢れていながらもどこか優しさや儚さも感じられる。
この曲の縄文語も「天に照らり」と歌ってるかのように聞こえる。
曲名はチョモランマの山頂がかつて海であった事からついたそうである。

10.転唱

平泉・毛越寺の僧たちによる般若心経が流れる、安らぎの一曲。
裏で流れる伴奏は前半は神秘的で、中盤から柔らかくなっていく。

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