姫神の音楽

風の縄文



風の縄文シリーズ第一弾。

当時、青森の三内丸山遺跡の発見により
縄文へと関心を寄せていた星吉昭。
東北の民俗芸能から、縄文時代より続くニュアンスに影響を受け
自然と人とが共生する楽園を思い描いていた。

蝦夷合唱団。そしてモンゴルのヴォイスを取り入れており
全体的に大陸的な色が強い。

ジャケットは「マヨヒガ」に続き、横尾忠則のコラージュ。
十字状の土偶に滝、花畑、虫や亀など。
にっこりとした笑顔に見えなくもない。
冊子には星吉昭の写真が大きく載っている。
本人の写真が出ているのは珍しい(東日流の帯にも写真が載っていたが)

1.風の大地

鳥のさえずりと共にモンゴル独自の発声法「ホーミー」から始まり
オットフォンバイラによる大らかで力強いヴォイスから
緑豊かな縄文の楽園が見えてくる曲。

2.見上げれば、花びら

蝦夷合唱団による、現代の東北民謡。
姫神で日本語の明確なオリジナル歌詞がつくのはこの曲が初で
作詞は星吉昭本人によるもの。
男女の合唱が、大地に根付いて生きる人々の暖かみを感じられる。
「十三の砂山~」から始まり「楽しいことや悲しみも見上げれば花びら」
という歌詞から、東北・津軽の厳しい冬を前向きにとらえているような
そんな印象を受ける。
東北は暗いイメージがあるが縄文は緑豊かな楽園、といったところから
東北民謡を縄文的視点でとらえた歌詞、とも見て取れる。

3.草原伝説

オットフォンバイラによる、非常に迫力のあるヴォイスから
古代縄文の壮大な草原の情景を感じさせる曲。
シンセ笛による泣きの入ったメロディーも素晴らしい。
間奏部分のドラムの響き具合が微妙に異なっていて絶妙。
後半はさらに盛り上がっていき、最後はオットフォンバイラのヴォイスが
力強く木霊し余韻が残る。

4.風祭り

ここから動→静の流れが連続して続く。
独特のリズムを刻む低音のパーカッションに
哀愁を帯びたシンセ笛のメロディーから
風が運ぶ土の香りを感じられる、神楽風の一曲。

5.花かんざし

二胡とシンセ笛の旋律による、ゆったりとしたシンプルな一曲。
爽やかなメロディーが心地よい。

6.祭り神

再び動的で賑やかな曲、「マヨヒガ」にも見られた
ヒップホップ風のリズムを刻む。
チンゲルトによる低音のホーミーと、ムックリの音が印象的。
いかにもなシンセのメロディーはダンス・ミュージックの趣に近い。
アルバム中でも特に濃さを感じる一曲。

7.たそがれ月

こちらも穏やかで音数も控えめな一曲。
祭り後の静けさのようで、清々しさを感じる。

8.山童

「日高見国」の流れを汲むような曲、こちらもなかなか濃い。
どこか奇怪さをも感じるつかみどころのないメロディがユニーク。
終始リズムを刻んでいる音色がまた面白い。

9.天の湖

独特な空気の広がりを持つ一曲。
イントロや間奏部分にリズムカルに入るタンチョウの鳴き声が印象的。

10.森渡り

透き通ったシンセ音、二胡の音色をバックに響く
オットフォンバイラの低音ヴォイスが
まさに緑溢れる古代・縄文の森を渡り歩いているかのような一曲。
モンゴル独特のホーミーの響きが心地よく、クセになる。

11.見上げれば、花びら(インストゥルメンタル)

「見上げれば、花びら」のインスト版。
ゆったりとした素朴なアレンジ。
この曲、「にっぽん点描」のテーマ曲でもあるが
インスト版のほうが番組中のアレンジに近いようだ。

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