姫神の音楽

ZIPANGU姫神



世界から見た日本「黄金の国ジパング」がテーマのアルバム。
全体の雰囲気やコンセプトとしては若干「海道」に通じるものがあるが、あちらはより土着的な日本に着目しているのに対して
こちらはワールドワイド視点での日本、という印象がある。
また、曲名やトラックの順番からストーリーが色濃く感じられる。

ジャケットは雲の背景をバックに「Twelve Strips」という作品が
大きくフューチャーされている。

1.風,大循環に

大陸的で壮大なスケールの曲。
まさにジパングへ向けて海を超えて旅路に出る風、といった印象。
こぶしを振るわせる笛の旋律と、民族調パーカッションの掛け合い。
曲名から、ジャケットの冊子や帯に添えられた詩は
この曲をイメージしていると思われる。
遠い場所で生まれた風は巡り、海を越え
今日のジパング(日本)の風となる。

2.うら青く波涛は澄み

こちらも大海原をイメージさせられる曲。
海道の「綿津見に寄せて」を思わせる、ゆったりとして大らかな雰囲気。
船旅の途中の、大海原といったところだろうか。

3.光の海南

南国風の軽快でトロピカルな曲。
主旋律は明るく、リズムも軽快で聴いていて楽しい。
海南のまぶしい太陽を感じさせられる。

4.東方 エルドラド

黄金の国ジパングを、南米のエルドラド伝説に譬えた曲。
謎めいた旋律が美しく幻想的で、儚い。
東の果てにある日本の神秘性を感じさせる。
この曲も、北天幻想の「白鳥伝説」に通じる
「謎は謎のままのほうが美しい」という神秘性が感じられる。

5.金銀島

いよいよ目的の島が見えてきたというところか。
どこか大きな期待を膨らませるような、冒険心が擽られる曲。
終始繰り返しの曲展開で旋律も控えめだが
ムックリなどの色々な細かい音でじわじわと盛り上がってくる所が良い。

6.白くひらける東のそら

優しくゆったりとしたメロディの流れる曲。
あまり主張していない素朴な感じ。
旅先で空を見上げて一休み…そんな場面を思わせる。

7.燐光

静寂の中に叙情的な激しさを感じさせる曲。
イーハトーヴォ日高見のような音数を抑えた静かな印象。
中盤の一気に盛り上がっていくメロディ展開が良い。

8.天翔ける

重厚なイントロから始まる交響曲的な曲。
次アルバム「炎」に繋がる雰囲気がある。
曲の終わりは唐突。

9.火振り神事<Zipanguのテーマ>

太古から消えることなく燃え続ける歴史の炎を感じさせる壮大な曲。
三拍子の重厚な響きにこぶしの効いた笛の旋律が心うたれる。
正史に埋もれた、昔の人々の素朴な営みを感じさせるあたり
組曲「北天幻想」の「常夜」に通じるものがある。
後にラジオドラマ版手塚治虫「アドルフに告ぐ」や
「神々の詩」の番組中でも使われることになる。

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