姫神の音楽

風土記



星吉昭が家族と移り住み、音楽活動の拠点となった
岩手県田瀬湖での四季の移ろいを紡いだアルバム。
歴史というよりは、東北での生活と自然との交わりを
描いた素朴な曲が多く、曲の合間にはそれぞれ
曲名の副題に合わせた環境音が流れる。
星自身が東北の記憶を描いた東北の「風土記」といえる。

冊子には春夏秋冬が草書体で描かれていて
それぞれ詩が寄せられている。
ジャケットには夏の部分が使われている。

1.春萌え ~せせらぎ清浄~

春の訪れを感じさせる、とても爽やかな曲。
清浄な旋律に副旋律のシンセの音色が心現れるようだ。
「旅・ここが知りたい!」のエンディングに使用されている。

2.白山 ~水、沁みる~

北陸・白山を題材にした曲で、「春萌え」と同じく水の清浄さを感じる。
透明感のある旋律と、バック流れるシンセ音が神秘的で美しい。
雪解け水が山にしみわたり、流れていくようなイメージ。

3.風の旅 ~砥森の声~

風土への旅情を感じさせる曲。
青空のような清々しい広がりを感じるイントロがとても印象的で
笛の旋律がノスタルジックな気持ちにさせてくれる。
この曲も「旅・ここが知りたい!」のオープニングに使用されている。

4.五月の陽はみどり ~たせ小学校の午後~

山里の小学校の放課後をイメージさせる。
春から夏にかけての新緑と、陽の光の暖かさを感じる
とても柔らかいメロディー。
音の数も少なく控えめで、とてもゆったりとしていて心地よい。
曲の合間には子供たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。

5.空と雲と友と ~白い波~

この曲もまた、小学校での生活や幼い頃の記憶を連想させる。
全体的にどこか童謡的な趣を感じる。
大サビの揺らぎを感じる旋律が盛り上がる。

6.翼 ~もがり笛~

素朴な笛のメロディとバックのアコギの掛け合いが心地よい一曲。
「空と雲と友と」と同じく、夏空の清々しさを感じさせる。

7.秋の二夜 ~遠野ものがたり~

山里の家での一夜を感じさせる一曲。
哀愁を帯びた旋律からは秋の静寂を感じられる。
曲の後に聞こえてくる、おばあちゃんの語りが印象的。

8.中野ばやしの夜 ~のこり火~

岩手県岩泉町の「中野七頭舞」が元になっている。
「山神祭」と似て、同じフレーズの繰り返しに笛のメロディが主体。
こちらのほうがよりアップテンポである。

9.星はめぐり ~雪わたり~

「雪譜」に通じる、雪を題材にした透明感のある曲。
副題から宮沢賢治を連想させられる。
星の煌きのようなキラキラとした旋律がとても美しく
冷たくもどこか温かさを感じるそれは
童心をも感じさせられる。
夜のみちのくの雪の上を、ざくりざくりと歩いていく…

10.峰の白雪 消えやらず

こぶしのある笛の音色が響きわたり、冬の情緒を感じさせる。
締めを飾るにふさわしい力強い一曲。

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