姫神の音楽

北天幻想



「まほろば」に続き平泉を舞台にした、平泉追想シリーズ第二弾。
星吉昭がサポートに頼らずたった1人で完成させたアルバムであり
平泉への想いが特に強く感じられる作品である。
一曲目の秀衡のテーマをはじめ、平泉や奥州の歴史・風土を感じさせる
このアルバムは、まるで壮大な大河ドラマを見ているかのような
気持ちにさせてくれる。

ジャケットは星空の中、花の生えた鉱石が大きく映し出されている。

1.大地炎ゆ ~秀衡のテーマ~

大河の流れを感じさせる壮大な曲。
藤原秀衡が自ら亡き後の治世を不安に想う気持ちを表現しており
重厚ながら哀しさが現れてくる日本的な叙情の旋律は素晴らしい。
歴史のもつ儚い宿命というものを深く感じられる。

2.月のあかりはしみわたり

静寂に染み渡る哀しい旋律は、奥州を照らす月とそれを見つめる
先人たちの心を表しているかのようだ。
哀しくも、どこかそっと励ましてくれるような曲。

3.平泉-空-

平泉のおおらかな情景が浮かぶ、のどかな曲。
いつの時代も、空は温かく見守ってくれる…
そんな気持ちにさせてくれる。

4.白鳥伝説

頼朝に追われ北上した義経を描いた曲。
透明感のある旋律がら、謎は無理に解き明かすより
謎のまま伝説にしたほうが美しい、という神秘性が表れている。

5.遠い音

苦しみに満ちた生活の中、人々がよりどころにした
自然との調和を表したという。
優しく清らかな旋律からは、昔の日本にあった暖かさが感じられ
とても懐かしい気持ちにさせてくれる。

6.組曲「北天幻想」

4曲から構成される壮大な組曲で、収録曲中では最長の21分。

イ.序~北狼の群れ

原野を疾走し、戦う男達を描いた曲。
鳥のさえずりの中、激しくうねる笛の旋律から
緊迫した戦闘の空気が流れてくる。

ロ.毛越寺

激しい戦闘から一変、毛越寺の情景へと移り変わる。
静寂の中に毛越寺の僧たちの声明が響き渡る。
内宇宙への広がりを感じられる。

ハ.北天を翔る

組曲のメインパートを思わせる大らかな曲。
ゆったりとした優しい旋律と、中盤の笛の旋律が心うたれる。
後半から加わる大太鼓が雰囲気を一層盛り上げる。

ニ.常夜

静かな北の夜の情景を描いた哀しい旋律に
途中から水沢の蘇民祭の様子がオーバーラップされる。
昔から語り継がれた人々の営みを感じさせられる
素朴で温かい曲である。
最後は威勢の良い掛け声と共にバチバチと炎が激しく燃え
フェードアウト、静寂の中に余韻が残る。

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