姫神の音楽

まほろば



星吉昭のソロユニット「姫神」としては初のアルバムで
平泉追想シリーズ第一弾。
全体を通して「北天の星」のような透明感のある音と
山林に漂う「気」を感じられる。
青く美しい平泉の情景が浮かぶ。

このアルバムはパーカッションYAS-KAZと
アコースティックギター西崎憲による「姫神プロジェクト」という形で
制作されているが、アーティスト名義は
「姫神 With YAS-KAZ」となっている。

ジャケットは霧の立ち込める山に花びらが舞う様子が描かれている。
冊子には、高橋昭八郎による詩「風の天爾遠波(まほろばへ)」が
寄せられている。

1.青天

まほろばへの導入を飾る一曲。
静寂の中、鳥の声や虫の音が響き渡り
透明感のある笛の旋律が青く澄み渡った空の、清々しさを感じる。

2.星が降る

星の煌く情景が浮かぶ、神秘的な曲。
アルペシオなどの使い方が「北天の星」に通じるものがある。
中盤から何度か繰り返される「ドンシャーン」というパーカッションが
とても印象的に残る。

3.光の日々

どこまでも青く清らかで、穢れのない真っ直ぐな美しい曲。
この優しい光に包まれていたら、どれだけ幸せな事だろうか…。
それぐらいに聴いていて至福を感じる一曲。
特に後半の展開は聴いていて涙が出てくる。

4.草原情歌

憂いを感じる儚い旋律、次第にテンポがあがっていく部分に
情緒があり、どこか大陸的な曲。
最後のムックリ(アイヌの楽器)が余韻として実に効果的。

5.まほろば

13分にも及ぶ壮大な曲で、組曲を除くと姫神全曲中最長のトラック。
静寂の中ゆっくりと3分の長い前奏が始まり…耳を澄ますと
光の種子、木々のざわめき、虫の音、鳥の声、と様々な音が聴こえる。
音の一つ一つがとても美しく、その全てが理想郷「まほろば」の
空間で木魂しているかのようである。

第一主題の部分は旋律が高らかに鳴り響き
パーカッションが重厚感を与えている。
5分あたりから第二主題に移りしばらくの間静寂の間が続く。
この間の空気の流れ方や表現が本当に繊細で
日本人が古代より感じてきた自然への高い精神性を感じさせる。
そして8分過ぎから再びイントロの旋律が流れ
10分に再び第一主題へと繋がる。

この曲は一言ではいい表せない程に素晴らしい曲なので
是非とも実際に触れていただき「原・日本」の理想郷、まほろばを
五感で感じとって欲しいと思う。

6.夢幻夜行

「まがときをゆく」と読む。
いわゆるエンディングの締めような位置づけ。
きらきらと幻想的な流れが、夢見心地な気分にさせてくれる。
終盤のカラカラカラ…と響く鼓の音がとても印象的。

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